先輩として伝えたいのは、「仕事っておもしろい!」ということ。(東京電力)

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わたしたちの住まいのエネルギーをすべて電力でまかなう「オール電化」。
そのプロモーションを手がけ、体験型ショールームの強化を図る四ッ柳さんが就職活動で求めたものは、「安定性」でした。キャリア志向があったわけではなく、「働かない母親」像への憧れを持つなかで、現在でも第一線で活躍しているのは、なぜでしょうか。その秘密に迫りたいと思います!

はじまりは“お客さまに一番近い場所”から。

入社してから今まで、どのようなお仕事をされてきましたか。

はじめは、“支社”と呼ばれる、お客さまに一番近い組織で、電気料金を取り扱う部署にいました。電気料金の計算は、当然コンピューターで管理しているのですが、イレギュラーな処理は、手作業の部分もありまして、電気料金の再計算・再発行の係なども担当していました。あとは、家を建てたり、区画を変更するときに電柱が支障になることがあるのですが、その電柱移設工事の工程管理もしましたね。5年ほど、支社のなかで複数の部署で、様々な仕事を経験しました。

入社5年目からは本店の企画部に異動しまして、会社の組織体制のあり方を検討したり、組織の業績管理をしたりと、経営企画に係わる仕事を担当していました。そこでも5年在籍して、そのあと営業部に異動して、プロモーション関係の仕事をするようになったんです。

電力自由化の時代に向けて、組織が大きく変わった。

企画部への異動は、希望されたのですか?

いいえ、まったく(笑)。支社は、営業部門の仕事のほか、電柱を建てたり、電線を張ったりする配電・工務部門の仕事など、お客さまや設備に近い仕事を担っているので、そこにいると、本店がどんな仕事をしているのか見えにくいんですね。当時は、メールもなく、社内のイントラネットも整備されていなかったので、本社の動きが分かる情報は少なかったんですよ。だから、企画部への辞令をもらったときも、「何を企画するところなのかな?」というのが正直なところでした(笑)。でも、実際、行ってみたら「会社って、こういう仕組みで動いているんだ!」と発見がたくさんあって、面白かったわけです。

企画部での、会社の組織体制を検討し、改編する仕事とは、具体的には?

企画部に配属になった頃は、電力業界全体が、地域独占から自由化に向けて変革を迫られている時代でした。そこで、将来、電気事業が全面自由化された場合、どのような組織体制で会社を動かしていくのが最適なのかを検討し始めたわけです。会社の組織をスリム化する、大きな変革期でした。私が担当した仕事は、営業、設備、総務、人事、経理など、社内の各部署に、「現状の課題」の洗い出しと、「将来のあるべき姿」の検討を依頼し、その内容をヒアリングし、取りまとめる仕事のサポート役でした。取りまとめた内容は、テーマ毎に経営会議に諮っていくのですが、会議の日程に追われるとてもハードな仕事でした。
しかし、その時に多くの部署の方々と接し、各部署の考え方や抱えている課題を知る機会に恵まれたことは、大変貴重な経験だったと思います。

人の住まいに関わる世界が好き。

営業部への異動も、希望されたわけではなく?

大きな組織ですから、自分の希望が必ず叶えられる訳ではありません(笑)。ただ、住宅や暮らしに関わる仕事は、入社当時からやりたかったことでしたから、自分の希望にマッチしていました。もともと、家、キッチン、インテリアなど、住宅に関わる世界が好きでしたから。

営業部でのプロモーションの仕事とは、どんな内容なのですか。

東京電力は今、IHクッキングヒーターやエコキュート、床暖房といった、家のなかのエネルギーをすべて電力でまかなう“オール電化住宅”の良さを伝える活動に力を入れています。その一環で、オール電化の新しいプロモーションを考えたり、幕張メッセや東京ビッグサイト、埼玉アリーナなどで開催するイベントの企画・実施をしたりしていました。そこでも4、5年ほど在籍していましたね。

その後、オール電化の認知も高まり始めていましたので、「今後は、体験型のショールームの強化が必要」と提案したところ、経営側から了解を得られまして、「ショールーム企画グループ」が新設され、そこで今は、お客さまが直接、オール電化の暮らしを体験するショールームの仕事を中心に行っています。

そして、“お客さまがオール電化を体験する場所”へ。

ショールームの仕事について教えてください。

ショールームを新設するところから、既存施設を廃止・改修するところまで、ショールームの企画・運営管理を担当しています。発展するであろうマーケットを調査して、新しいショールームをどこに、どんな規模で作るべきかを、立地の選定から設計の企画、設置後の運営管理までするのが新設の仕事。
コストが掛かっている既存のショールームの撤退を決めたり、縮小しながらのリニューアルしたりといった仕事が廃止・改修の仕事。

ほかには、ショールームのより良い運営方法を考えたり、どのショールームがどれくらい稼動しているかを分析して効果測定をしたり。そういう一連の流れをすべてやっていますね。日々の運営は、関係会社に委託していますので、私たちは、その運営内容に関して関係会社とコミュニケーションを図りながら管理する役割ですね。

すべての家庭に電気を ~ロマンある時代を垣間見て。

入社を決めたきっかけは?

小さい頃は、北海道にいる祖父の家の近くに住んでいたのですが、その祖父が電力関連の仕事をしておりました。私が小さい頃の北海道は、まだ全地域に電力が行き渡ってない状況で、“すべての家庭に便利で安全な灯りを届ける”というロマンのある時代だったんです。そうした時代に、その仕事に携わっている人たちを子ども心に見ていて、「いい仕事だな」という印象があったんです。それがきっかけですね。

また、電力会社は安定感があり、家族的ですから、勤めやすいだろうという気持ちもありました。地域密着の会社ですから、東京電力に勤めると住居が関東エリアに限定されて、他の地域への転勤が少ないのも魅力でした。私は一人っ子なので、転勤族だと将来、両親との生活を考えたとき立ち行かなくなるだろうという思いがあって。

「仕事をしない母親」への憧れがあったけれど・・・。

当時から、ずっと働いていくつもりでいたのですか。

いえ、結婚して子どもを産んだら、辞めようと思っていました(笑)。母は大学でピアノを教え、自宅でもピアノ教室をしている人でしたから、家に帰ってもあまり話もできず、子ども心に「仕事をしない母親」への憧れがあったんですよね。それで学生の頃から、「自分は、結婚したら専業主婦になって子どもと一緒に過ごしたい」という気持ちが漠然とあって、キャリアウーマンとして働き続けるのが良いという価値観はなかったんです(笑)。

ただ、働いてみるとおもしろくて。支社だけでなく、上位機関である支店や本店の仕事を見てみたいなと、欲が出てきたわけです。だから、はじめから「将来必ず、住宅に関わる仕事をする」という明確なキャリアビジョンがあったわけではありませんでした。私が就職活動をした平成4年の頃は、まだバブルの残り香がある時代で、大手企業でも内定をもらいやすく、学生が自由に選べる時代でした。だから、キャリア志向が強ければ、当時人気のあった広告、金融、不動産などの企業や女性が活躍している化粧品業界などに行く道もあったと思います。でも、仕事の華やかさよりも企業の安定性に価値を感じていましたし、そこまでのキャリア志向はなかったというのが正直なところです。

知的好奇心が満たされる毎日。

お仕事は、かなり忙しいですか?

ずっと忙しかったですね。イベントは土日に動くことが多いし、広告業界は夜遅くまで動いているので、どうしても、夜行性になってしまいますね(笑)。

仕事が嫌になったことはありますか。

入社から十数年の間でいくつかの部署を経験しましたけれども、仕事が嫌だと思ったことは一度もないですね。常に楽しく仕事をしてきました。性格が前向きと言うか、満足レベルが低いと言うか、その時々の状況を肯定的に受け入れますので、常に「自分は幸せ」と思って生きているタイプです(笑)。
仕事が頻繁に変わっているわけでもないのですが、今の仕事の中から、課題を見つけて変革していくのが好きです。初期配属の支社にも5年いましたし、企画部でも同じグループに5年、営業部でもプロモーション関係の仕事に約7年従事していますので、当社の平均的な異動周期が3年であることを考えると、私は、ちょっと長くいるタイプですね。

チームワークを発揮する仕事に魅力あり。

仕事の楽しさや、苦労について教えてください。

ショールームをつくるとなると、建築を担当する建設部、土地や建物の契約を締結する用地部など、いろんな部署の人たちとチームを組むことになるんですね。みんなでひとつの目的を達成させるのは、難しい面もありますが、なんともいえない連帯感が生まれてすごく楽しいですね。あと、建築会社や広告代理店、キッチンバスメーカーや電機メーカーなど、外部企業の方々ともたくさん交流を持てるので、いろんな発見につながります。それぞれの企業のカラーも垣間見ることができるので、おもしろいですよ。

苦労するのは、コミュニケーションがうまくいかず、ネットワークがきちんとつながらないとき。一度つまずくと、それがきっかけで次々に問題が起こる場合があるんです。なかなか思いどおりにいかないときは「大丈夫かしら?」と不安になりますが、相手あっての仕事ですから、自分ひとりだけ焦っても解決できないので、一つひとつ、ボタンの掛け違いや誤解を解くことにしています。
大きな組織ですし、どちらかと言えば男性社会ですから、女性の私にとっては思いがけないことでトラブルこともあり、「何がまずかったのかなぁ・・・・」とか「どういう言い方をすべきだったのかなぁ・・・・」と悩むこともありますが、仕事を辞めようと思うほど深刻に悩んだことはありません(笑)。つらくて泣いた経験もないし。

何事も「絶対こうあるべき」という考え方はしないので、たとえ誰かに文句を言われたとしても、相手の立場を考えると「そういう考え方もあるかもしれないよね」と、思うタイプです。

そのポジティブさは、どこからきているのでしょうか。

学生時代から、ひとつアルバイトをすると、そのなかで楽しく過ごせるタイプで、それほど多くの経験もしていません。もともと、あんまり不満を持たない性格なのかもしれませんね。ただ、地方から上京して一人暮らしをしながら大学に通うとなると、普段まわりに家族がいない状況になるわけですよね。その環境で四年間を過ごしたので、何かつらいことがあって精神的に追い込まれそうになっても、自分で心のバランスを保つ方法を見つけたり、重症になる前に手を打つ訓練ができたかもしれません。

なんと、男性が88%の男社会!

働きにくさを感じたことはありますか。

あまりないですね。ただ、当社は男性が88%を占める、男社会です。
支社での事務系の仕事は男女とも分け隔てなくやっていましたが、私が支社に居た十数年前は、たとえ大学卒であっても、結婚している女性が本店に登用されることは少なかったように思います。当時は、結婚を機に退職される女性のほうが多い時代でしたので、管理職としても、激務の本店には異動させにくいと思いますし、本店側も受け入れにくかったのだと思います。だから結婚すると、自分のキャリアパスが狭まるのではないかという思いはありましたね。

今はもう、結婚ぐらいではみんな辞めなくなっているので、男性の管理職も、女性の結婚をあまり気にしなくなってきましたけど。これは日本社会全体に言えることだと思いますので、大きな意識の変化だと思いますね。あと、出産を経て、子育てをしながら仕事を続ける女性も多いですね。当社は、制度が整っていますから、特に多いのではないでしょうか。

仕事もプライベートも、よりよい環境を求めて。

これからどんなことをしていきたいですか。

住宅業界でオール電化を普及していくために、東京電力がどういう役割を果たしていくべきかを考えていきたいですね。社内の組織体制、人員配置、他企業との関わり方についても、どうするのが一番、効果的なのかを考えたいと思います。

人は誰でも変化に抵抗がありますが、変化の先には、もっと楽で、効果的な環境がある場合も多い。私自身、過去にそういう経験が何度もあったので、より良い変化を追求して行きたい。まとめると、支社での第一線の仕事、企画部での経営管理的な仕事、そして営業でのプロモーションや他企業と関わる仕事、これまでのキャリアパスをミックスして活かせるような仕事をしてみたいですね。

学生さんへのメッセージ

人生の先輩として、アドバイスをお願いします。

純粋に、これまで働いてきた先輩として伝えたいのは、「仕事っておもしろい!」ということ。これから選ぶ会社に、長く勤めるかもしれないという可能性を考慮した上で、自分の働くスタイルを見極めて欲しいと思います。あと、自分が働く拠点を、どこか特定の一箇所にとどめたいのか、国内なら転居できるのか、海外まで視野に入れたいのかも、よく考えてください。女性は、結婚などで環境が大きく変わる可能性がありますし、自分が活躍するフィールドをどの範囲まで広げるかでも、選ぶ会社は変わってきますから。

東京電力の魅力を教えてください。

安定性があるので、安心して働ける会社だということですね。ひとつの会社で腰をすえて長く働きたい人におすすめです。社員も極めて誠実で紳士的です。人の和を大事に、チームワークで仕事をすることに価値を置く方にとっては、とてもいい会社だと思います。ただ、個人にスポットライトがあたるような仕事は少ないので、たとえば「自分ひとりで何億もの契約を取るぞ!」といった華々しい仕事が好きな人には向かないかもしれません。あくまでも、チームワークで、設備をつくり、守り、お客さまに品質の高い電気をお届けすることを一番大切にしている会社です。

二十歳の自分に言っておきたいことは?

学生時代に、もっと海外に行っておけばよかったと思います。一人っ子で、親から仕送りをしてもらっていたので、親の反対する場所には行けなくて。あまり治安のよくない地域はもちろん、私が飛行機に乗るのも嫌がるようなところがあったんですよ。それでも海外には2回行きましたが、冒険旅行という雰囲気ではなかったですね。

社会人になってからインド、エジプト、ケニアなどの発展途上国を訪れる機会があって、「ああ、こういう世界があるんだなあ」としみじみ思いまして。
務まるかどうかは別にして、国連の仕事とかに憧れを持ちました。
社会人になってからようやく視野が広がった感があるので、学生時代に、いろいろな世界を見ておけばよかったと思います。

仕事をする上で、大切なことを教えてください。

大きな会社に入ると、必ずしも希望の仕事には就けません。でも、チャンスとして与えてもらった仕事をするとき、どれだけ自分のモチベーションを高め、楽しさを発見していけるかは重要。限られた人生のなかで、物事をネガティブ・ポジティブどちらの視点で捉えるかで、大きな違いが生まれるんです。

つらくても「こんなはずじゃなかった」なんて自分を否定するのは、本人にとってもプラスになりません。どんなときでも楽しそうにしているのって、大切なことだと思いますね。暗い顔をしていると運が逃げますから(笑)。

インタビューを終えて( ハナジョブスタッフ)

自分のレベルアップをはかりたくなる会社に出会えたら、どんなにいいだろう。大きな期待と、ほんの少しの不安を抱えながら就活を進めるハナジョ(ハナジョブ会員)なら、一度は考えたことがあるかもしれませんね。大切なのは、家庭でも職場でも、わたしらしくいられること。その基盤がある上で次のステップをめざせたら、四ッ柳さんのように「仕事っておもしろい!」と、自信を持って言えるようになるのかもしれませんね。まずは、就活でつかんだチャンスを、楽しく乗り切りましょう!

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About Author

ハナジョブ学生記者

2008年〜2012年までの学生記者たち

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